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ユマノイドのブログ

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『ミラン・K』メイキング:表紙

2015年4月28日火曜日

表紙というのは、バンド・デシネにとっても非常に重要なものです。読者が最初に目にするのが表紙ですし、その本を買いたくなるかどうかも表紙次第。表紙がよくなければ、読者は物語世界に入り込むことすらしてくれません。ネタばれをしないように、バンド・デシネが語る物語の手がかりをうまく配さなければなりません。
つまり、表紙もまた、たいへんな労力を要するアートだといことになります。しかし、残念ながら、読者は普通、その労力の部分を知ることはありません。読者は、最終的にできあがった表紙しか見ることができないのです。
『ミラン・K』発売を記念して、今回特別に、表紙の制作過程をお見せしましょう。お見せするのは、フランス語版の第2巻の表紙です。
まずは絵を組み合わせて、さまざまなコンセプトを試します。

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次に別の可能性を吟味します。

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こうして最終的な表紙ができあがります。

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『ミラン・K』原作者サム・ティメル インタビュー

2015年4月23日木曜日

『ミラン・K』の企画はどのようにして生まれたのですか?

『ミラン・K』は、元々私が温めていた映画の企画でした。当時、別の理由でロサンゼルスにあるユマノイドのチームと会うことになりまして、彼らにこの物語の話をしたところ、気に入ってくれたんです。まずはバンド・デシネ向けに脚本を手直しする必要がありました。当時、私は一度もバンド・デシネの脚本を書いたことがありませんでしたから、それなりに手こずりましたね。第1章については、ユマノイドのチームとかなり緊密に仕事をしました。幸運なことにコミックスの仕事をしている人たちの手助けを得ることもできました。例えば、チャック・オースティンなどです。フランスのバンド・デシネも、英語訳があるものはいくつか読んでみました。バンド・デシネというのがどういうものかを知るためにね。

この作品を書こうとしたきっかけは?

一番大きなきっかけは、ミハイル・ホドルコフスキーの生涯を知ったことです。彼は寡頭資本家で、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの宿敵であり、2013年まで捕えられていました。もちろん私の脚本はこの実話とは別物で、冒頭から既に違う話になっています。

コランタンを作画担当に選んだ理由は?

実は、コランタンには会ったことがないんです。コランタンを薦めてきたのは、編集者でした。彼を知る以前にもさまざまなアーティストの習作を受け取っていて、どれも私にはいいものに思えました。しかし、コランタンが描いた冒頭部分を手にした瞬間に、これだと思ったんです。彼のスタイルが気に入りました。すばらしいアーティストですよ。

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脚本はどのように書きますか?

とりたてて特別なことはありません。まずは、シリーズ全体を構想します。時には複数のエピソードや章にまたがることもあります。次に、そのシリーズの細部を決めていきます。既刊は全3巻(日本語版では全3章)のシリーズですが、もともとは2巻(2章)になる予定でした。ところが、コランタンがアクション・シーンを描くためにたっぷりページ数を使いたがっていると編集者から聞いたので、結局3巻になったんです。おそらく今後は、長くても2巻(2章)で1つの物語になるのではないかと思います。
最初の脚本ができあがると、ユマノイドのチームとやりとりが始まりました。ストーリーそのものや個別のシーン、あるいは、シーン同士の関係、キャラクターの造型、彼らの行動……。そういったものをさらによくすることが目的です。理想の高い人々とこういう仕事をするというのは、たいへんなことですが、それでも私は、この段階が大好きです。頑張れば頑張るほど、満足のいく結果を得ることができますからね。最終的に、今ある形の脚本ができあがりました。脚本執筆の間、私はしばしば、自分が作ったキャラクターになりきりました。パーリンが怒っているときは私も激高し、ミランが泣いているときは私もまた涙を流しました……。最後の段階で作品は私の手を離れました。それもそのはずです。脚本をフランス語に訳さなければならなかったのですから。翻訳は、フランス人原作者のフィリップ・ティローが担当してくれました。

シリーズ続編についてヒントをいただけませんか?

続編の作画担当は、コランタンではない別の作家になりそうです。ストーリーについては、あいにくまだ明かすことはできません。本ができあがるのを楽しみにしていてください。

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『ミラン・K』メイキング:主要キャラクター

2015年4月21日火曜日

作画担当のコランタンが語るシリーズ制作秘話。『ミラン・K』はこうして作られた!

「キャラクターたちの何人かは実在の人物や僕が好きな映画からインスパイアを受けている。イゴールのモデルは、ロシア人の総合格闘技チャンピオン、エメリヤーエンコ・ヒョードルなんだ。ぬいぐるみの熊ちゃんみたいな感じがすごくいいだろ?

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エメリヤーエンコ・ヒョードル

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パーリンはプーチンと俳優のルイ・ジューヴェを混ぜたんだ。ルイ・ジューヴェの無愛想な顔が好きでね。

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ウラジーミル・プーチン

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ルイ・ジューヴェ 1930~40年代に活躍したフランスの俳優

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ミーシャの変装を見破るゴルスキーは映画『イースタン・プロミス』に登場するロシア・マフィアさ。ページの下のほうにはヴァンサン・カッセルまで登場させてる。
写真は大いに役に立つ。あると安心するんだ。でも、あるときが来たら、そこから離れなきゃならない。ただ、そうは言っても、なかなかうまくいかない。何しろ現代を舞台にする場合、正確さが求められるからね。ハマーのハンドルを握っている人物は、4Lに乗ってるような人物とは仕草が違うだろうし、こういうことは、勝手に想像すべきじゃないんだ。」

『ミラン・K』メイキング:背景の難しさ

2015年4月18日土曜日

作画担当のコランタンが語るシリーズ制作秘話。『ミラン・K』はこうして作られた!

「一番たいへんだったのは、現代の世界を描くということだった。

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さすがに物語世界のすべてを現地取材するというわけにもいかず、写真資料を用いた。ロサンゼルスについては、ユマノイドの現地スタッフがいるから、彼に写真資料を送ってもらえた。物語に描かれているものは、すべて実在している。ゴミ箱1つ取ってみても、ロサンゼルスにあるものと同じなんだ!

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例えば、ある地域一帯を描くときには、さまざまな建物の資料を集め、その地域を描き出した。武器や乗物についてもかなりの資料を集めたよ……。
他には、通りや車とか。描くのはたいへんだった。パン屋の内装を描いているときなんかはちっとも楽しくなかったな。木とか、もっと特殊な背景を描くほうがずっといい。例えば、地下とか。違った雰囲気のものをね。ガラス張りの建物も描いていてあまり楽しくなかった。だから、第2章のニューヨークはたいへんだったな。古い地域なんかは除いてね。僕は、古ぼけた雰囲気とか、汚れた感じが好きなんだ。時間の問題じゃない。絵に時間をかけるのは苦にならない。でも、どうせなら楽しいほうがいい。だって、1日中原稿とにらめっこだからね! 誰だって車の細部みたいなものを描きたくはないんじゃないかな。

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とにかくうんざりするような正確さが求められる仕事だよ。交通標識がどれくらいの高さにあるかなんてのは、誰だって知ってることだけど、それが10㎝高くなっただけで、もう台なしなんだ。すぐにバレてしまう。もし描いている作品が西部劇なら、家の高さを2メートル高くしようが、低くしようが、読者にはわかりはしない。『ミラン・K』のような作品では、詩的なことなんか求められていない。だからたいへんなんだ。たぶん僕が完璧主義者だってのもあるかもしれないね。」

『ミラン・K』 メイキング:制作過程

2015年4月15日水曜日

作画担当のコランタンが語るシリーズ制作秘話。『ミラン・K』はこうして作られた!


「フランソワ・ブックの場合、彼の筆からすべてが完璧に描き出されるわけだけど、僕の場合は、もう少し段階を踏んで原稿が完成する。
渡された原稿は、映画のシナリオみたいに、ページごとにシーン分けされていた。そこから4ステップで仕事をしたんだ。

最初のステップでは、ストーリーボードを作る。まずは、"このセリフはこのコマに入れて"という風にコマを決めるんだ。ページ上にどうコマを構成していくかは考えずに(例えば、飛び降りるシーンなら、縦長のコマのほうがいいわけだけど、そういうことはまだ考えない)、とにかく全部をコマに割る。

その後、それらのコマをまとめて、1ページに配置する。コマ割を自由に決めていいというのが、BDのいいところだと思う。それと並行して、資料集めをやっていくんだ。

次のステップでは、ページを拡大コピーする。鉛筆で細部を描き加えたら、厚めの紙に絵を転写する。

その次のステップでは、その絵をペン入れする。

最後に、その絵をスキャンで取り込んで、デジタル彩色するんだ。」

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『ミラン・K』メイキング:第1章制作秘話

2015年4月12日日曜日

作画担当のコランタンが語るシリーズ制作秘話。『ミラン・K』はこうして作られた!

「ユマノイドから『ミラン・K』第1章(フランスでは第1巻単行本として刊行された)のシナリオを受け取ったのは2008年の6月だった。本格的に仕事に取りかかったのは、9月からだったよ。そして、2009年の7月末にはすべての原稿を渡した。1冊の単行本を完成させるのに約10カ月かかったってわけだ。リールに住んでいるフランソワ・ブック(『バウンサー』の作画担当)のところに行って、何度か相談にのってもらった。アクションシーンで演出に悩んだ箇所は、彼が手直しのアドバイスをくれたんだ。彼の仕事の仕方はちょっと信じられなかった。とにかく筆が速いんだ。何しろ僕がこの本にとりかかっているあいだ、彼は単行本2、3冊分の仕事をかかえていたんだからね! 彼は、鉛筆の下書きをざっと済ませると、すぐにペン入れに入る。これはすごくいいやり方だと思う。ペン入れをするときは、下書きの線を厳密になぞろうとしちゃいけないんだ。線の勢いがなくなるし、どこか窮屈な感じになる。自然な線で描かなきゃいけないんだ。僕は筆も彼と同じものにしてみた。以前使っていたものよりずっと硬い筆だ。すっかり線が変わったよ。彼の仕事ぶりをマネることで、進化することができたと思う。」

『ミラン・K』のWORK IN PROGRESS:

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フランソワ・ブックの筆入れ:『バウンサー』第7巻 頁④

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『ミラン・K』、発売中!

2015年4月10日金曜日

サム・ティメル作、コランタン画『ミラン・K』、いよいよ4月10日発売です!  
一口にバンド・デシネと言っても、さまざまな種類があります。絵柄のせいもあって、日本では、バンド・デシネとはアート的なものか、難解なものと思われがちですが、そうでない作品もたくさんあります。今回お届けする『ミラン・K』はまさにそういう作品!

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『ミラン・K』

作:Corentin (コランタン)
原:Sam Timel (サム・ティメル)

ロシア、スイス、アメリカを股にかけた金融冒険活劇BD!
ロシア大統領に命を狙われた少年の復讐

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ロシアの大富豪アンドレイ・コドロフとその家族が、大統領ウラディミール・パーリンによって暗殺される。ただ一人残されたアンドレイの息子ミーシャは、腹心のボディガード、イゴールに守られ、慎ましやかな生活を送っているが、やがて、彼のもとにもパーリンの魔手が迫る。逃亡生活を送るミーシャは、やがて亡父が彼のために、莫大な財産を隠していてくれたことを知る。第一の財産は、莫大な不動産を有する会社を子会社に持つハリケーン社の株。ミーシャは、ミラン・キングという偽名のもと、父親の財産の回収に奔走する。はたして彼は独裁者パーリンに一矢報いることに成功するのか?

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国際経済・金融界を舞台に繰り広げられる冒険BDの傑作!

登場キャラクター

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ミーシャ・コドロフ
ロシアの大富豪アンドレイ・コドロフの息子。コドロフ家はクレムリンの指令で皆殺しにされるが、彼は唯一生き残る。巨大なエネルギー企業と莫大な資産を受け継いだ彼は、ロシアの特殊機関から逃れるべく潜伏する。彼の財産はパーリン大統領の手に渡ることになる。


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イゴール
アンドレイ・コドロフのボディガード。アンドレイの逮捕後は、ミーシャの身辺警護に当たる。コドロフ家の面々が暗殺されたと知ると、ミーシャの逃亡を手配し、逃亡先のアメリカでもミーシャを守る。ミーシャにはもはやイゴールしかおらず、彼のことを養父のように考えている。


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アンドレイ・コドロフ
ロシアの富豪。彼を危険視する最高権力と真っ向から対決し、脱税容疑をかけられたうえ、5年間に及び軟禁される。結局、裁判は行われず、独房内で"自殺"したことにされる。



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ウラディミール・パーリン
ロシア大統領。アンドレイ・コドロフを敵視し、彼の家族の暗殺を命じる。謎の参謀とともに、コドロフの財産の略取をもくろみ、コドロフの跡取りと目される人物には、情け容赦なく、苛烈な手段を講じる。



白黒 Versus カラー

2015年4月8日水曜日

『エル・トポ』の監督ホドロフスキーが贈るマカロニ・ウエスタンBD『バウンサー』 よりペン入れの原稿と完成原稿を届します!

作画者フランソワ・ブックの筆は圧倒的です!

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